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DDS創薬の開発情報

世界で開発されている画期的な新薬とDDS技術

<最新情報>

 2018.8.11 (日刊薬業)

 世界初となる「siRNA」が米国で承認された。第1号となったのは、米アルナイラム社がFDAに承認申請していたトランスサイレチン型家族性アミロイドーシス治療薬パティシラン(ONPATTROⓇ。核酸医薬の新顔として注目を集めているsiRNAがいよいよ市場に登場した。siRNA2本鎖のRNAで、細胞内でmRNAを分解(RNA干渉)する。疾患の原因タンパク質そのものをなくす作用を持つ核酸医薬として注目されており、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)に関する課題を克服できれば、市場に先行参入しているアンチセンスと“双璧”をなす可能性もある。同社は多くのsiRNAを開発しているが、このうちパティシランは米欧で昨年承認申請を行っており、欧州でも承認が近い。日本を含むほかの地域でも申請が計画されている。パティシランはリポソームなどDDSが必要だが、同社では、糖鎖を付加し肝臓に特異的に取り込まれるようにすることでリポソームを不要とした新しいタイプのsiRNA(ギャルナック コンジュゲーティド siRNA)の開発も進めている。


 

 

 

2018.7.26

 アステラス製薬は、米ファイザーと共同開発を進めている大型抗癌剤の経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤「エクスタンディ」(一般名:エンザルタミド)について、非転移性去勢抵抗性前立腺癌に対する適応が認められ、去勢抵抗性前立腺癌の全患者層に対する治療薬として承認を取得した。

 

2019.7.26

 Ph1b結果に基づき、Roche社の抗PD-L1抗体TECENTRIQAtezolizumab)とAvastinbevacizumab)併用による肝細胞癌(HCC)初治療の開発が米国FDAの画期性優遇(Breakthrough Therapy Designation)の対象になった。切除不能または転移性のHCC患者への同剤+AvastinNexavar (sorafenib) の比較Ph3試験(IMbrave150)が今年に入ってから始まっている。

 

2018.7.18

 合併症を生じやすいインフルエンザ患者が参加したPh3試験(CAPSTONE-2)の結果、塩野義製薬が見つけてRoche社と共同開発されている1回だけの服用で済む抗インフルエンザ薬baloxavir marboxilの症状改善効果がプラセボを上回った。Roche社のインフルエンザ薬タミフルは昨年そのジェネリック薬の登場で、売り上げは53700万ドルへと33%低下した。baloxavir marboxilはタミフルの後を不足なく継ぎ得るとされているbaloxavir marboxilは米国FDA優先審査中で、審査結果は今年の暮れ1224日までに判明する。

 

2018.7.18

 Tonix Pharmaceuticals社のシクロベンザプリン舌下錠TNX-102 SLによるアルツハイマー病不穏行動(Agitation in Alzheimers disease)治療のPh2試験開始を今年4月に許可した米国FDAが、その治療の開発をさらにFast Track(優先承認審査)対象とした。TNX-102 SLは心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療としても開発されており、その開発は第3相試験段階にある。同試験の途中結果は今年3Qに発表される予定。

 

2018.7.18

 転移あり前立腺癌にすでに使われているPfizer社/アステラス製薬のアンドロゲン受容体阻害剤XTANDIenzalutamide)を転移前のより初期の前立腺癌にも使うことを米国FDAが承認した。J&J社の同薬効薬ERLEADAapalutamide)は、今年2月に転移前前立腺癌への使用承認をすでに得ている。Pfizer社は、Medivation社取得によってXTANDIを手に入れている。XTANDI去年の売り上げは259000万ドルであったが、2022年には471000万ドルに達すると予想されている。

 

2018.7.18

 CRISPR-Cas9ゲノム編集によるDNA二本鎖切断(DSB)の修復はおよそ5つに1つの細胞に招かれざる大規模欠損や再編をもたらしうることが示された。CRISPR-Cas9編集が引き起こす今回示されたようなゲノム損傷は病気の原因となりうると指摘され、現在CRISPR使用研究が急速に進展している中で十分な注意が必要である。


 

2018.7.10

 Alnylam社Ionis社2007年に設立したマイクロRNA標的薬開発会社Regulus Therapeutics社がアルポート症候群治療薬RG-012の患者集めを中断し、前臨床はB型肝炎ウイルス(HBV)分野に絞り、従業員およそ60%を削減して年間2000万ドル超を節約すると発表した。RG-012Sanofi社との提携の見直し協議が進行中。RG-012が治療しうるアルポート症候群は糸球体基底膜の維持に必要な4型コラーゲン遺伝子変異を原因とし、腎臓機能が徐々に失われていくことを特徴とするが、RG-012miR-21の阻害剤で腎線維症の進行を抑制してマウス生存を延長した。

 

2018.7.9

 長者バイオテックRubius Therapeutics社がロードアイランド州に細胞治療製造工場を建設している。同社は機能を付加した赤血球による治療(Red Cell TherapeuticsRCT)を開発しており、来年1Qにはフェニルケトン尿症(PKU)を治療するRCT製品RTX-134の治験開始が米国FDAに申請される。RTX-134は酵素・フェニルアラニンアンモニアリアーゼを発現するRCT製品であり、体外に排出される代謝物へとフェニルアラニンを変える働きがある。


 

2018.7.2

 Alkermesは、FDAAristada Initioaripiprazole lauroxil)を承認したと発表した。非定型向精神薬aripiprazole(大塚製薬が創製)の徐放性剤で、Aristadaの弱点であるオンセットの遅さを補う。 Aristadaは月一回または2ヵ月に一回の投与で足りる持効性筋注用製剤で、血中濃度が十分な水準に到達するまで時間がかかるため、治療開始後21日間に亘り、aripiprazoleの経口剤を毎日服用する必要があった。 Aristada Initioは同社のナノクリスタル技術を用いてパーティクルを小型化、放出を速めた。これを使えば、初日に経口剤、Aristada InitioAristadaを投与すれば次からは1ヵ月または2ヵ月毎にAristadaを筋注するだけで足りる。 大塚製薬とルンドベックが共同開発販売しているariprazoleの月一回筋注用製剤Abilify Maintenaも同様に、最初の2週間は経口剤を毎日服用する。この承認から4年、Aristada承認から3年経ち、やっと簡便な製剤が登場した。

 

2018.6.20

 Sarepta Therapeutics社のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)遺伝子治療AAVrh74.MHCK7.micro-DystrophinPh1/2試験の被験者最初から3人目までの全員に病気の進行を阻止あるいは改善しうる短縮ジストロフィンの確実な発現が認められている。治療後の生検の結果、3人の短縮ジストロフィン量は平均で正常レベルの38.2%に達しており、筋損傷のバイオマーカー・クレアチニンキナーゼ(CK)の有意な減少も全員に認められた。2人がγグルタミントランスペプチターゼ(GGT)上昇を呈したが、ステロイド増量で解消し、重篤な有害事象は認められていない。Sarepta社AAVrh74.MHCK7.micro-Dystrophinの権利をMyonexus社から入手した。

 

2018.6.14

 Merck & Co社の抗PD-1Keytrudapembrolizumab)による子宮頸癌治療と縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)治療が米国FDAに相次いで承認された。PD-L1発現患者77人中14.3%に同剤が奏効した試験結果に基づき、化学療法の甲斐なく悪化をきたした再発/転移性PD-L1発現(CPS 1%以上)子宮頸癌へのKeytruda使用が承認された。奏効の持続期間中央値はまだ得られていないが、91%の奏効が6か月以上持続している。また、非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種であるPMBCLへのKeytrudaは、治療抵抗性の患者または2回以上の一連の治療の甲斐なく再発した患者への使用が承認され、子宮頸癌やPMBCLの抗PD-1治療をFDAが承認したのは今回がどちらも初めてである。

 

2018.6.4

欧州医薬品庁(EMA)諮問委員会(CHMP)がAmgen/Novartisの片頭痛予防抗体薬Aimovigerenumab)、IONISのアミロイド症薬Tegsediinotersen)、Novelion社のレプチン欠乏症治療薬MYALEPTAmetreleptin)、大塚製薬/Lundbeckの統合失調症治療薬Rxultibrexpiprazole)の承認を支持した。また、Humiraadalimumab)のNovartis社製バイオシミラー(HalimatozHefiyaHyrimoz)とHerceptintrastuzumab)のPfizer社製バイオシミラー・TRAZIMERAの承認も支持された。

 

2018.6.4

 先月下旬に承認されたDova Pharmaceuticals社の血小板数減少治療薬Dopteletavatrombopag)が米国で利用可能になり、外科処置に先立って5日間服用する。同剤の1日あたりの定価は高用量<60mg3錠)/日>は13,500ドル、低用量<40mg2錠)/日>は9,000ドル、つまり1回の使用の値段は高用量なら13,500×567,500ドル、低用量なら9,000×545,000ドルとなる。その価格は予想を上回っており、同剤投与に患者が受ける外科処置(抜歯や単純な内視鏡など)の多くの値段をだいぶ上回る同剤に果たしてどれほどの引き合いがあるか予測が困難だ。血小板数が50,000/μLを下回る慢性肝疾患(CLD)患者は米国におよそ7万人おり、出血を伴いうる診断/治療外科処置をたいてい年に1-3回必要とする。血小板減少を治療しないまま外科処置をすると入院延長やその他の合併症を引き起こしうる重度の制御不能出血が生じる恐れがある。

 

2018.5.31

 AstraZenecaの抗IL-5抗体Fasenrabenralizumab)の2つのPh3試験の2つ目(TERRANOVA試験)も今月前半発表の1つ目に続いて主要目標に至らず、GSK社の抗IL-5抗体Nucalamepolizumab)とは対照的に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療効果を示すことができなかった。GSK社NucalaCOPD3相試験2つのうちの1つ・Study 117106 (METREX) で有意な悪化抑制効果が認められ、米国FDAにすでに承認申請されている。また、Nucalaは喘息やCOPD以外の分野にも販路を広げており、去年12月には血管炎症を特徴とする稀な病気・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の治療が米国FDAに承認されている。

 

2018.5.31

 第3相試験(PIONEER 2)の結果、Novo Nordisk社の注射GLP-1Ozempicと同一成分の経口semaglutide 14 mg錠の2型糖尿病患者血糖制御(HbA1c低下)がLilly/BoehringerSGLT2阻害経口剤Jardianceempagliflozin)を上回わった。
 

2018.5.7

血友病B患者から得た細胞をiPS細胞(人工多能性幹細胞)にし、CRISPR/Cas9遺伝子編集技術を使って第IX因子(FIX)遺伝子変異を修復させ、肝細胞の前駆細胞へと分化させてから血友病マウスに移植したところ、それらの細胞はFIXを生成しつつ少なくとも12か月存続した。

 

2018.5.4

 遺伝子編集技術を生み出す人Feng Zhang氏が設立したマサチューセッツ州ケンブリッジ拠点新会社Beam Therapeutics社が1億ドル近くを調達したと報じられている。先週には、UC BerkeleyJennifer Doudna氏の研究室CRISPR技術に基づく診断法開発会社Mammoth Biosciences社の設立が発表されている。Doudna氏とZhang氏はCRISPR/Cas9遺伝子編集技術の特許に関して国際的に争っており、昨年米国特許局はZhang氏が属するBroad Institute社の発明はDoudna氏やUCBerkeleyの発明とは異なるとしてBroad Institute社を支持する判断を示している。今回Zhang氏が設立したBeam社はDNAの二重螺旋を切らずにDNA配列をより正確に変えうる塩基編集(base editing)技術を開発する。

 

2018.5.4

 アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター技術を擁する4D Molecular Therapeutics (4DMT) 社とRoche社の拡大提携の下で複数の失明疾患遺伝子治療の開発が試みられる。提携の先頭を行く先天性脈絡膜欠如遺伝子治療薬4D-110は治験開始申請へと通じる前臨床開発が進められている。他にも網膜疾患の臨床開発品候補の取り組みが進行中である。今回の提携の下で4DMT社はベクターの決定と最適化、その加工、前臨床開発、初期臨床開発までを担当し、その後の最終段階臨床試験や販売はRoche社が担当する。


2018.5.2
 一連の治療を2回以上経験した再発/
治療抵抗性(r/r)大B細胞リンパ腫(large B-cell lymphoma)患者へのNovartis社CAR-T製品・Kymriahtisagenlecleucel)使用を米国FDAが承認した。大B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)起源のDLBCLを含む。Kymriahは非ホジキンリンパ腫(NHL)とB細胞急性リンパ性白血病(ALL)への使用がFDA承認された初のCAR-T治療となった。

 

2018.5.1

 PioglitazoneなどによるPPARγ活性化は脂質代謝やミトコンドリア形態/機能と主に関連する後成的/転写異常を正して肺動脈高血圧症(PAH)を治療しうることが示された。PPARγ活性化剤はPAHPAHに伴う心不全の予防や治療に使えそうだと著者は言っている。(Science Translational Medicine,  25 Apr 2018

 

2018.4.24 

 サノフィは4月23日、アトピー性皮膚炎の治療薬としては初めての抗体製剤となるデュピクセント皮下注 300mgシリンジ(デュピルマブ 遺伝子組換え)を発売したと発表した。効能・効果は「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」で、ステロイド外用薬などの抗炎症外用薬で効果不十分な中等症から重症の患者が主な対象となる。同剤は、アトピー性皮膚炎などの慢性的な炎症で中心的な役割を果たしているとされるIL-4IL-13のシグナル伝達を阻害する新たな作用を持ち、治験では既存外用薬で効果不十分な中等症から重症の患者の皮膚病変の有意な改善が示された。用法・用量は通常、成人には、投与初日に600mgを1回皮下投与し、その後は300mgを2週に1回投与する。薬価は300mg1筒で8万1640円。アトピー性皮膚炎の治療薬としては日本以外では米国、欧州、カナダ、オーストラリア、韓国などで承認済。

 

2018.4.25

 久光製薬は4月23日、経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬アレサガテープ mg、同8mg(エメダスチンフマル酸塩)を24日に発売すると発表した。ヒスタミンH1受容体拮抗薬。有効成分のエメダスチンは既に他社から1日2回の経口薬として発売されているが、アレサガは1日1回貼付。久光独自の経皮薬物送達システム技術を用いることで、血中薬物濃度を維持し効果を持続させる。用法・用量は、14mgを胸部、上腕部、背部、腹部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替え、症状に応じて18mgに増量できる。薬価は4mg1枚67.50円、8mg1枚93.10円。

 

2018.4.24

 ノバルティスファーマは4月23日、CAR-T細胞医療の「CTL019」(キムリア、tisagenlecleucel)について、再生医療等製品として同日に承認申請したと発表した。申請は、小児を含む25歳以下のCD19陽性再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)と、成人のCD19陽性再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の2つの適応で行った。CAR-T細胞医療の承認申請は国内初となる。CAR-T細胞医療(キメラ抗原受容体T細胞医療)は、患者自身の血液からT細胞を採取し、がん細胞やその他の細胞に発現するCD19を特異的に認識し、がん細胞を攻撃するよう遺伝子を導入した革新的な免疫細胞医療のこと。1人ひとりの患者に合わせて製造される。CTL019の単回投与で治療を行う。

日本では16年5月に、CTL019CD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病、CD19陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、CD19陽性濾胞性リンパ腫の適応に対して、希少疾病用再生医療等製品の指定を受けている。米国で2017年8月、世界で初めて小児を含む25歳以下の再発・難治性ALLの適応症で承認された。1回の治療で475000ドル(約5300万円)かかることでも話題となった。

 

2018.4.12

 厚労省の中医協・総会は4月11日、新薬15製品(15成分22品目)を薬価収載することを決めた。4月18日に収載する予定。この中には、アトピー性皮膚炎で初となる抗体製剤デュピクセント皮下注(サノフィ)や、がん免疫療法薬の抗PD-L1抗体として初めて非小細胞肺がんの適応を持つテセントリク点滴静注(中外製薬)、国内初のLCL-C低下薬を2成分組み合わせた配合剤アトーゼット配合錠などがある。また、抗体薬物複合体(ADC)で、CD22陽性の急性リンパ性白血病に用いるベスポンサ点滴静注用(ファイザー)は、有用性加算や市場性加算がついて、1mg1瓶130万円強の薬価がついた。

アトピー性皮膚炎に対する初の抗体医薬品。有効成分のデュピルマブは、IL-4IL-13という2つのタンパク質のシグナル伝達を特異的に阻害するよう設計されたヒトIgG4モノクローナル抗体。IL-4IL-13は、アトピー性皮膚炎における持続する炎症を促進する上で中心的な役割を果たすと考えられている。

 

 2018.4.10

 国内製薬企業は自社創製品で浮上できるか。中外製薬が独自の抗体技術で開発した二重特異性抗体の血友病A治療薬「ヘムライブラ皮下注」、塩野義製薬が開発した1回のみの服用で治療する抗インフルエンザ治療薬ゾフルーザ錠」が国内で承認された。さらに、協和発酵キリンは小児X色体遺伝性低リン血症くる病(XLH)の適応で抗FGF23抗体「ブロスマブ」の欧州承認を取得。どれもが自社研究所から創出した薬剤ばかり。グローバル開発競争の中で、欧米製薬大手との企業体力勝負ではなく、企業規模の小ささを逆手に取って、連続的に新薬を創出していく自社創薬プラットフォームから生み出した成功事例だ。

 

2018.4.10

 有望な脊髄性筋萎縮症(SMA1型遺伝子治療AVXS-101を擁するAveXis社をNovartisが現金87億ドルで買う合意が発表された。AVXS-101は今年後半に米国FDAに承認申請され、来年には承認されて米国で発売される見通しとなっている。NEJM誌掲載の臨床試験の結果、AVXS-101で治療されたSMA乳児15人全員が永続的人工呼吸なし(event-free)で生後20か月を生きて迎えている。過去の治療例でのその割合は僅か8%で、AveXis社はAmerican Academy of Neurology学会で今月25日に2年間のデータを報告する。

 

2018.4.10

 大塚製薬は4月9日、タカラバイオが創製した3つの遺伝子治療薬(TBI-1301TBI-1301-ATBI-1501)の日本国内における共同開発・独占販売に関する契約を締結したと発表した。このうちTBI-1301は、厚労省から今年3月に先駆け審査指定制度の対象品目に指定された開発品で、日本で現在、「滑膜肉腫」を対象としたフェーズ1/2試験を行っている。世界に先駆けて日本で承認申請する予定。

TBI-1301TBI-1301-Aは、NY-ESO-1 siTCR遺伝子治療薬と呼ばれるもの。がん患者から採取したリンパ球(T細胞)にがん細胞を特異的に認識するTCRT細胞受容体)遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に治療薬として患者に輸注する。TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、がん細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待されている。

TBI-1501CD19CAR遺伝子治療薬と呼ばれるもの。多くのB細胞性リンパ腫のB細胞の表面に発現しているCD19というタンパク質(抗原)を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注することによりがん治療を行う。日本では現在、成人の急性リンパ芽球性白血病を対象にフェーズ1/2試験を行っている。

 

2018.4.2

 大日本住友製薬の子会社Sunovion Pharmaceuticals社がパーキンソン病Off症状治療薬APL-130277Apomorphine Sublingual Film)を米国FDAに承認申請した。APL-130277はアポモルフィンの舌下フィルム剤で、薬物治療中のパーキンソン病運動症状再燃(OFF症状)への必要に応じた使用の効果がプラセボ対照第3相試験で確認されている。

 

 

 

 

<画期的新薬と創薬技術>

2018.8.2

 外科処置を受ける慢性肝疾患(CLD)成人の血小板減少を治療する塩野義製薬のトロンボポエチン(TPO)受容体刺激薬Mulpletalusutrombopag)が米国FDAに承認された。CLDと重度血小板減少症を患っていて血小板数が50 x 109/L未満の成人患者が外科処置を受ける前の最大7日間の同剤11回経口投与の試験(L-PLUS 1L-PLUS 2)で血小板輸血や出血治療を減らす効果が示されている。最も多い有害事象は頭痛でMulpleta治療患者の5%に認められた(プラセボ群では4%)。なお、5月にはDova社の同薬効薬剤Dopteletavatrombopag)が米国FDAで承認されている。

 

2018.7.31

 Novartis社の片頭痛予防薬Aimovigerenumab)が欧州委員会(EC)に承認された。片頭痛の痛みに関与するCGRP受容体阻害剤Aimovigは米国ではNovartis社Amgen社が共同販売しており、日本での販売権はAmgen社が、それ以外の地域ではNovartis社が有する。

2018.7.31

 欧州医薬品庁(EMA)諮問委員会(CHMP)が以下の新薬承認を推奨した。

・Alnylam Pharmaceuticals社のアミロイド症治療薬ONPATTROpatisiran)

・小児用2剤:てんかん治療薬Kigabeqvigabatrin)と自閉症/スミスマゲニス症候群に伴う不眠治療薬Slenyto (melatonin)

・Vertex社の嚢胞性線維症(CF)薬SYMKEVItezacaftor/ivacaftor)

・Tetraphase Pharmaceuticals社の複雑性腹腔内感染症治療薬Xeravaeravacycline)

・Pierre Fabre社Braftoviencorafenib)とMektovibinimetinib)併用によるBRAF V600変異黒色腫治療

・AstraZeneca社の非小細胞肺癌(NSCLC)治療薬ImfinziDurvalumab)

・Eli Lilly社の乳癌治療薬Verzeniosabemaciclib)

・Almirall社の尋常性乾癬治療薬Ilumetritildrakizumab)

 

2018.7.30

 2015年に発見が報告された脳の髄膜リンパ管(meningeal lymphatic vessel)は中枢神経系(CNS)から頸部リンパ節への大分子の排出を担い、その機能障害は認知機能障害やアルツハイマー病病態・髄膜Aβ沈着を促すことがマウス実験で示された。また、VEGF-Cの投与は脳脊髄液からの大分子の排出を促し、脳の流れを良くして記憶や学習を改善することも確認されており、髄膜リンパ管の機能亢進は加齢と関連する神経疾患の進行抑制や予防法となりうることが報告された。

2018.7.30

 GSK社の抗IL-5抗体Nucalamepolizumab)による小児の好酸球性喘息治療の承認を欧州医薬品庁(EMA)諮問委員会(CHMP)が支持しした。治療抵抗性の重度好酸球性喘息を患う17歳までの小児患者への使用の承認が支持された。喘息小児のおよそ4.5%は標準治療が効かない重症例であり、それら重症例の一部は喘息発作を増やす好酸球過剰生成を呈する。Nucalaは好酸球を骨髄から肺に仕向けるシグナルIL-5が好酸球の表面受容体に結合するのを防ぎ、血中の好酸球を減らす。

 

2018.7.30

 米国での発売以来常に予想以上に売れているGlaxoSmithKlineGSK)の帯状疱疹ワクチンShingrixの今年2Qの売れ行きも、需要に供給が追いつかないという困難にもかかわらずこれまで同様に予想を上回りました。2QShingrixの売り上げはアナリスト予想の11700万ポンドを43%も上回る16700万ポンド(21900万ドル)でした。この売れ行きを見てGSKは同ワクチンの今年2018年通年の売り上げ予想をおよそ45000万ポンドから6億〜65000万ポンドに引き上げました。

2018.7.30

 今年2QMerck社の抗PD-1Keytrudapembrolizumab)の売り上げがBristol-Myers SquibbBMS)社のOpdivonivolumab)を追い抜いた。


2018.7.26

 武田薬品のALK阻害剤ALUNBRIGbrigatinib)によるALK再構成陽性(ALK+)非小細胞肺癌(NSCLC)治療Ph3試験(ALTA-1L)の無増悪生存(PFS)がPfizer社Xalkoricrizotinib)を有意に上回った。今回の試験はALK阻害剤での治療経験がない患者を対象にして実施されており、武田薬品は今回の用途の承認を目指して審査機関と協議を始める。ALUNBRIGcrizotinibを受け付けないかその治療の甲斐なく進行したALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療薬として既に承認されている。武田薬品は昨年の52億ドルでのAriad社買収でALUNBRIGを手に入れた。

 

2018.7.26

 GlaxoSmithKlineGSK)社の抗IL-5抗体Nucalamepolizumab)による慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療の承認に必要な裏付けが得られていないと米国FDA諮問委員会が判断した。また、安全性は裏付けられたが効果の裏付けは不十分と判断された。FDAの最終的な審査結果は97日までに判明する。








 

2018.4.3

 寛解に至っているものの骨髄細胞1000個あたり1個(0.1%)以上の割合で癌細胞が残っている(minimal residual diseaseMRD)急性リンパ性白血病(ALL)患者を、Amgenの二重特異性抗体Blincytoblinatumomab)で治療することを米国FDAが承認した。CD3発現T細胞がCD19発現白血病細胞を破壊するBlincytoの効果は、骨髄細胞1000個あたり1個以上の癌細胞がある完全寛解ALL患者86人の試験(BLAST)で確認されている。その試験の結果、一通りのBlincyto治療後に細胞1万個あたり癌細胞が1つ以上あれば検出できる検査で81.4%70人)の患者の癌細胞が未検出水準(undetectable MRD)に到っている。

 

2018.3.30

 日本化薬は、抗HER2抗体「トラスツズマブ」(先発品名:ハーセプチン)のバイオシミラー(BS)「トラスツズマブBS点滴静注用60mgNK』・同150mgNK』」について、HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃癌の適応で国内承認を取得した。

 

2018.3.28

 厚生労働省は3月27日、HER2発現胃がんの治療に用いる抗体薬物複合体など開発中の医薬品6品目を、早期の実用化に向け支援する「先駆け審査指定制度」の対象に指定したと発表した。

JR-141(ムコ多糖症II型(ハンター症候群)、JCRファーマ):国内フェーズ2/3。既存治療では、欠損している酵素を補充するが、補充された酵素は中枢神経系に移行しないため、中枢神経症状に対して効果は期待できない。同剤は、対象疾患で欠損している酵素とトランスフェリン受容体を特異的に認識する抗体を結合させた医薬品で、これにより酵素を中枢神経系へ送達させる新規の薬物送達技術を有する。

Trastuzumab deruxtecan(がん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌、第一三共):国内フェーズ2。抗ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)抗体に薬物(癌細胞の細胞死を誘導する低分子化合物)を連結させた抗体薬物複合体(ADC)。
 

2018.3.28

マイクロサテライト不安定性(MSI)高度(MSI-H)やMSIを誘発するミスマッチ修復欠損(dMMR)があり、フロロピリミジン/オキサリプラチン/イリノテカン治療に抵抗性を示す転移性結腸直腸癌(mCRC)へのBristol-Myers SquibbBMS)の抗癌免疫誘導薬2剤・抗PD-1Opdivonivolumab)と抗CTLA-4抗体Yervoyipilimumab)併用の承認申請が米国FDAに受理され、医薬品優先審査(priority review)対象になった。今回の併用の審査結果は710日までに判明する。


2018.3.26

 Roche/中外の血友病薬HemlibraEmicizumab)を筆頭にして、今年2018年に本格的に販売が始まる12の薬剤が2022年までに年間売り上げ10億ドルを達成すると予想された(Clarivate Analytics社)。VIII因子インヒビター保有血友病A患者の出血予防薬として承認されたRoche/Chugaiの週1回投与の第Ⅸ因子と第Ⅹ因子の二重特異性抗体Hemlibraの売り上げが最も大きく40億ドルを超える。
​2位 抗HIVBiktarvybictegravir / emtricitabine / tenofovir / alafenamide、
        Gilead Sciences
):37億ドル
3位 2型糖尿病治療GLP-1Ozempicsemaglutide、Novo Nordisk):35億ドル

4位 J&Jの前立腺癌薬ERLEADAapalutamide) 20億ドル

5  GSKの帯状疱疹ワクチンShingrix14億ドル

6位 アミロイド症治療薬patisiran(Alnylam)12.1億ドル

7位 抗てんかん薬Epidiolex(GW)11.9億ドル

8位 片頭痛治療薬Aimovigerenumab、Amgen):11.7億ドル

9位 遺伝性血管浮腫治療薬lanadelumab(Shire)11.5億ドル

10位 子宮内膜症治療薬elagolix(AbbVie)11.5億ドル

11位 2型糖尿病治療薬ertugliflozin(Pfizer)10.9億ドル

12位 オピオイド依存治療薬SUBLOCADE(Indivior)10.7億ドル

 

2018.3.26

 カナダと米国で承認済みのGlaxoSmithKlineGSK)社の帯状疱疹ワクチンShingrix欧州と日本で承認された。2回の筋注で投与されるShingrixは生ワクチンではなくアジュバント(AS01B)入りの糖タンパク質Eサブユニットワクチンであり、Merck 社の生ワクチンZOSTAVAXより有効なことが試験で示されている。Shingrixは日本では第一三共との合弁事業の下で販売される。Clarivate Analytics社の新しい報告によるとShingrixの売り上げは2022年までに136800万ドル($1.368 billion)に達すると予想されている。既にZOSTAVAXの売り上げ低下が始まっており、4Qの売り上げは45%も低下した。米国の3人に1人が帯状疱疹を患うと推定されており、潜伏感染水痘ウイルスが加齢に伴う免疫の衰えに乗じて帯状疱疹を引き起こす。

 

2018.2.26

塩野義製薬は2月23日、新規の抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ錠10mg、同20mg(一般名:バロキサビル マルボキシル)について、厚労省から同日付で承認を取得したと発表した。適応症は「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」。成人、小児を問わず、1回のみの服用で治療が完結するのが特徴。新規作用機序のため、耐性ウイルスが出現しても効果を発揮することも期待されている。同剤は一定要件を満たす革新的新薬として厚労省から1510月に、先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。承認申請は171025日に行われており、約4か月で承認されたことになる。同剤の薬食審部会通過は18年2月2日で、通常であれば3月に承認されるが、前倒しの承認となった。


2018.2.13

VEGF標的薬Lucentisranibizumab)対照の第2相試験(BOULEVARD)の結果、VEGFに加えてアンジオポイエチン2Ang-2)にも結合するRoche社の二重特異性抗体RG7716で糖尿病性黄斑浮腫(DME)患者の視力が有意に改善した。RG7716高用量(6 mg)投与群の視力指標(文字数)はLucentis投与群に比べてより改善した(13.9 vs 10.3p=0.03)。RG7716低用量(1.5 mg)群での改善は11.7文字分であった。DME市場ではRegeneron/Bayer社VEGF阻害剤EYLEAaflibercept)が優勢であり、昨年の同剤売り上げ37億ドルのおよそ1/3DMEへの使用に基づくと推定されている。今回のRoche社Ph2試験薬に加えて、Novartis社EYLEAに対抗する薬剤を開発している。Novartis社brolucizumabEYLEAと同じ抗VEGF薬であるが、EYLEAよりも投与回数が少なくて済むという利点がある。


2018.2.1

 大阪大学薬学部は、4年制の「薬科学科」と6年制の「薬学科」を統合し、一本化する。二つの学科を発展的に融合させ、薬学基礎研究力と創薬基盤技術力、臨床力を備えた「研究型高度薬剤師」を養成することが目的で、「研究ができる薬剤師」の輩出を見込む。6年制への一本化は2019年度の入試から適用し、募集人数は80人で変更しない。これに伴い、4年制の薬科学科は年次進行で廃止する。薬学教育に4年制と6年制課程が併設されて以降、研究・分析能力を備えた研究型薬剤師の枯渇が叫ばれており、「喫緊の課題」と捉える文部科学省の理解も得ているという。


2018.1.31

 去年11月に米国で第1相試験に入った武田薬品のジカウイルスワクチンTAK-426が米国FDAの難治病薬/ワクチン開発優遇制度Fast Track対象となった。とても必要とされている感染症ワクチンを武田はいくつか開発しており、第3相試験段階のデングワクチンTAK-003Fast Track対象となっている。その第3相試験の最初の結果は今年中に判明する。


2018.1.16 

 スイスのロシュ社と米GEヘルスケア社は、癌治療や救命救急治療を向上させる統合型デジタル診断プラットフォームの共同開発・販売で長期的な戦略的提携を行うと発表した。体外診断のロシュと、医療用画像診断装置のGEヘルスケアというリーディングカンパニー同士がデジタル技術を活用し、新たな臨床診断支援ソフトウェアの実用化で協力する。両社は、早期診断と一人ひとりの患者に適した個別化医療(プレシジョン・メディスン)を目指し、GEの医療用画像診断装置から得られる生体情報と、ロシュのバイオマーカー、組織病理検査、ゲノムとシークエンシング技術で得られる検体検査データに高度な分析を活用し、業界初のデジタル診断プラットフォーム構築を目指す。 今回、共同開発する本システムは、生体情報と検体検査データ、診療記録、標準治療、リアルタイムモニタリングや最新の研究結果といった情報をシームレスに統合・分析することが可能になり、これが実現できれば、医師は患者に適した治療や質の高いケアが実施できる。

 

2018.1.15

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ(AAB)社は、CD19CD13に二重特異性を有するT細胞誘導(BiTE)抗体「AMG103」(一般名:ブリナツモマブ)について、再発・難治性のB細胞性急性リンパ性白血病(ALL)の適応で国内申請した。承認された場合は、抗PSCK9抗体「レパーサ」に続く国内2製品目の薬剤となる。 同剤は、CD19CD13に二重特異性を有するBiTE抗体で、B細胞系の細胞表面に発現するCD19T細胞表面に発現するCD3と結合する。単剤で有効性を示し、他の細胞傷害性治療薬とは異なる作用機序を有する。


2018.1.2
​ 
グルカゴン様ペプチド1GLP-1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)、グルカゴンの受容体を活性化するアゴニスト(triple receptor agonistTA)が開発され、そのアゴニスト投与でアルツハイマー病マウスの記憶形成が改善した。TAはアミロイド斑量・炎症・酸化ストレスを軽減し、脳の神経新生・BDNF発現・シナプス数を増やした。

2018.1.2
​ マウスの皮膚に2分ほど押し付けることで皮膚にポリマー製微針を埋め込み、ゆっくり分解するその微針からβ3アドレナリン受容体刺激薬と甲状腺ホルモンT3を経皮投与することで皮下の白色脂肪組織をカロリーを燃やす褐色褐色脂肪組織に変えることができた。この製剤を使用してβ3アドレナリン刺激薬を投与することで肥満マウスの体脂肪や体重の増加を防ぐことができた。

2017.12.6

 Ph3試験のHbA1c/体重低下がEli Lilly社Trulicitydulaglutide)を上回ったNovo Nordisk社の週1回投与GLP-1受容体刺激薬Ozempicsemaglutide)が米国FDAに承認された。2型糖尿病患者の血糖制御を運動や食事に気を使うことと並行して同剤で改善することが可能になる。市場調査会社EvaluateOzempicの年間売り上げは2022年に約21億ドルに達すると予想している。

 

2017.11.17 

中外製薬は、同社が創製した二重特異性抗体(エミシズマブ、Hemlibra)について、ロシュグループの米ジェネンテックが血液凝固第VIII因子に対するインヒビターFVIII阻害抗体)を保有する血友病(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)の適応で、米国承認を取得したと発表した。本剤は活性化第IX因子と第X因子を繋いで活性化第VII因子機能を回復させる。アナリストによると、価格は治療開始最初の1年間が482,000ドル、その後は1年あたり448,000ドル。インヒビター保有の血友病Aに対する承認に加え、ヒト化二重特異性抗体が医薬品として承認されるのも世界初。日本が世界から大きく遅れを取る抗体医薬の領域だが、日本の研究所から生まれた次世代抗体の二重特異性抗体では市場一番手となり、世界の先陣を切った。 

 

2017.11.17 
 大塚製薬とデジタルヘルスの米プロテウス・デジタル・ヘルス社は、医薬品と医療機器を一体化して開発された世界初のデジタル・メディスンとして、抗精神病薬「エビリファイ」の錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んだ「エビリファイ・マイサイト」の米国承認を取得した。ICTを通じて、患者の服薬状況に関する記録ができ、医療従事者との情報共有も可能になるため、遠隔での服薬管理が行える。服薬アドヒアランスが不良な重度の精神疾患患者をターゲットにしており、まずは少数患者を対象に、服薬遵守率を指標とした効果検証や課題を集積する。

 

2017.11.13
​ 
Seattle Genetics社の殺細胞成分MMAE付き抗CD30抗体薬Adcetrisbrentuximab vedotin)による皮膚T細胞リンパ腫(CTCL2種・原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)とCD30発現菌状息肉腫(MF)治療薬が米国FDAに承認された。同社は米国とカナダでの同剤権利を有し、それ以外の地域では武田薬品に権利がある。今回で本剤4つの適応症が米国で承認された。米国での同剤の売り上げが10億ドルを超える可能性があると同社は言っている。


2017.11.9

 OncoSec社のImmunoPulse IL-12(IL-12 DNA)と抗PD-1抗体Keytrudapembrolizumab)の併用により、抗PD-1抗体が無効な黒色腫患者の半数が無増悪のまま15カ月間生存している(無増悪生存率57%)。本剤は腫瘍内リンパ球浸潤、炎症性サイトカイン、TH1免疫反応を亢進してPD-1抗体の活性を高めることが示されている。

 

2017.10.30

 厚生労働省は25日、抗癌剤「オプジーボ」など13品目に試行導入する費用対効果評価について、完全に健康な状態で1年間生存期間(1 QALY, 質調整生存年Quality-adjusted life year)を延ばすために必要な費用として、既存薬と比べて500万円以上かかる場合は薬価を引き下げる案を、中央社会保険医療協議会費用対効果評価部会に示した。


2017.09.14

 GSK社の50歳以上を対象とした帯状疱疹予防ワクチンShingrixが有効で安全で、Merck の帯状疱疹ワクチンZostavaxより良いと米国FDA諮問委員会が判断した。Zostavax2006年にFDA承認され、今年の売り上げはおよそ73000万ドルになると予想されている。


2017.07.19

 Gilead社の3成分合剤Vosevisofosbuvir/voxilaprevir/velpatasvir)が、ウイルスを直接狙う薬剤(DAA)による治療に失敗したHCV患者の再治療効果を対象として、2つの第3相試験で確認され米国FDAに承認された。

 

2017.07.19

 現在、世界の前臨床〜Ph3試験段階新薬開発24,389件のうち1/3以上を占める8,651件が癌分野で、癌に続く4分野(神経、感染症、免疫、心血管疾患)をまとめても癌には追いつかない。かつて花形だった精神分野はもはや10位以下の468件に落ち込んでいる。また、臨床開発段階の9,526件の3/47003件、74%)は前例のない画期的新薬(first-in-class)が占めている。822件は希少疾患薬で、CAR-Tや失明治療などの細胞/遺伝子治療が731件である。(米国研究製薬工業協会PhRMA


2017.07.28

 Outcomes-based pricing抗癌剤の値上がりへの対応や評価すべき対策案をAmerican Society of Clinical OncologyASCO)が示した。米国での新たな抗癌剤の1年間の費用はざらに10万ドルを超え、その負担は保険加入者でさえ重く、癌患者の破産率はそうでない人の2倍を超えている。ASCOは効果に基づく値付け(outcomes-based pricing)などの評価すべき対策案を示しつつ、医師は価値が明確に確立されていない新薬を無闇に使うことを控え、患者は治療を選ぶときにそれらの費用、価値、負担を自覚する必要があると言っている。

 

2017.07.07

 それぞれの癌患者の腫瘍蛋白質の遺伝子配列を読んで最も免疫反応を誘発し得る変異蛋白質を同定し、その情報に基づいてそれぞれの患者毎に作製した蛋白質断片(ネオ抗原)ワクチンを術後投与することにより、再発リスクが高い黒色腫(メラノーマ)患者6人中4人の再発を長く封じることができた。2年後までに2人は再発したものの、PD-1阻害によって免疫系を亢進する薬で2人とも完全寛解を達成した。このネオ抗原ワクチンはNeon Therapeutics社によって開発されており、NEO-PV-01は転移癌患者へのPD-1阻害剤との併用試験に進んでいる。同じ考え方に基づくBioNTech社のRNAワクチン・IVAC MUTANOMEの有望な抗黒色腫効果もNature誌に同時発表され、第1相試験で確認されている。


2017.01.03
 
Money-Back Guarantee:GSK社は、昨年5月に欧州で承認された免疫不全症遺伝子治療薬Strimvelisの治療において効果が得られなかった場合、薬剤費66万ドル(約7,700万円)を返金すると報じた。現在、効果が低いにもかかわらず、バイオ医薬品が高額であることが社会問題となっているが、患者と医療行政において多大な朗報である。また、血友病などの比較的一般的な遺伝性疾患の遺伝子治療薬もいくつか開発されており、創薬原資の確保と価格設定の課題は悩ましい問題である。GSK社のような良心的な対応が期待される。


2016.7 
 このところ第III相臨床試験で失敗する事例が相次いでいる。大塚製薬/アキュセラ社が開発するドライ型加齢黄斑変性治療薬経口投与製剤「エミクススタト」が5月に有効性評価項目を達成できなかった。アンジェスMGがNF-κBデコイオリゴDNAを用いたアトピー性皮膚炎の軟膏製剤、ナノキャリア/日本化薬のパクリタキセル内包高ミセル化抗癌剤「NK-105」が転移性乳癌での有効性をそれぞれ達成できなかった。

2015.8 
 C型慢性肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」(レジパスビル/ソホスブビル配合錠、ギリアド・サイエンシズ社)が国内で優先審査によって許可され、著効率が100%で国内のC型肝炎は3年で撲滅できるとされている。1錠の薬価が80,171円で、12週間の毎日の連投が必要で総薬剤費6,730,000円であるが、国の医療費助成対象に決定され、患者負担は最大月1~2万円である。本薬は米国で2013年に発売され、2014年の売上はいきなり世界2位の12,410M$に、2015年には世界1位の19,140M$になった。一方、国内では2016.3に特例拡大再算定によって、薬価が1錠54,797円(‐31.7 %) に引き下げられた。


2014.9
    小野薬品(Medarex/BMS社)は、リンパ球の抑制受容体PD-1 (programmed cell death-1)に結合して抗原特異的T細胞を活性化させ悪性黒色腫及び非小細胞肺がんを抑制するヒト抗体薬「オプジーボ」(ニボルマブ、3週間隔点滴注射)を発売した。抗体標的ががんではなくリンパ球にあるため、他の多くのがんでの適用拡大が期待されている。

2010.10
   第一三共は、プロドラッグ化した抗インフルエンザ治療薬「イナビル吸入粉末剤」(ラニナミ ビルオクタン酸エステル、長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤)を国内で発売した。エステル化することによって呼吸器粘膜吸収性を高め、活性代謝物の貯留性によって1週間作用が持続し、1回のみの吸入投与で治療できる。

2008.6 
 中外製薬(Roche社)は、国内で開発された関節リウマチ治療用薬「アクテムラ点滴静注用」(トシリズマブ、ヒト化抗ヒトIL-6レセプター抗体、4週間隔)を初めて世界で発売し、2013年自己投与可能な皮下注シリンジ・オートインジェクター(2週間隔)が追加承認された。 2014年売り上げは1,339M$である。


1989.3 
 武田薬品は、前立腺がん治療薬LHRH誘導体リュープロレリンの1ヵ月間徐放型注射剤「Lupron Depot」の開発に成功し、世界で初めて米国で上市した。1995年に3ヵ月徐放型を上市し、DDS技術の開発によって有効性と患者のQOLを大きく向上させ、毎日注射が必要なペプチド医薬品の医学的有用性を一段と高めた。


<遺伝子治療>
 

2018.7.30

 日本新薬はこのほど、「先駆け審査指定制度」の指定を受け、デュシェンヌ型筋ジストロフィ治療薬(DMD)として開発している「NS-065」の日米で行った第1/2相試験で、患者で欠損しているジストロフィンタンパク質が骨格筋内に産生していることを発表した。同剤は、原因となっている変異した遺伝子による情報を読み飛ばすこと(エクソン53スキップ)で、ほぼ正常に機能するタンパク質を発現させ、結果として筋機能の改善につながることが期待される。このようなエクソンスキップ薬が対象となる遺伝子変異を持つDMD患者は全体の8%とされている。日本での試験では、5~12歳の男児16人を対象に異なる用量で12 週時点、24週時点で評価したところ、14人で薬剤の作用による筋肉内ジストロフィンタンパク質の増加が認められた。米国とカナダでの試験では410歳の男児16人を対象に24週時点で評価し、全員で認められた。


2018.7.30

 Alnylam Pharmaceuticals社のアミロイド症治療薬ONPATTROpatisiran)の承認を欧州医薬品庁(EMA)諮問委員会(CHMP)が支持した。病期1/2の多発神経炎を伴うトランスサイレチン(TTR)が関与するアミロイド症(hATTR)患者の治療薬としての承認が支持された。欧州委員会(EC)の最終的な承認の是非判断は9月に判明する見通し。hATTRはビタミンA運搬を担うTTRの遺伝子変異によって生じ、TTR遺伝子変異は異常なアミロイド蛋白質の蓄積によって臓器や組織の損傷を招く。同薬剤mRNAを封じてTTR蛋白質の生成を防ぎ、末梢組織からTTRアミロイドを追い出してそれら組織の機能を回復させるとされている。





 

2018.4.3

西ナイルウイルス(WNVE蛋白質を狙うsiRNAsiFvEJW)を神経に向かう狂犬病ウイルス由来ペプチドRVG9Rで包んでWNV感染マウスに鼻から投与したところ、脳のウイルス量が減り、神経病態が緩和し、死亡率が低下した。また、体の隅々のウイルスが免疫によって除去され、次の感染を予防する長期防御の獲得も示された。siRN-RVG9R経鼻投与は神経を侵すフラビウイルス感染を解消して再感染を予防する長期の免疫防御可能な治療法となりうる。

https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/yu-rda032318.php


 

2018.1.25

 CRISPR/Cas9などの遺伝子編集による治療の実現に必要な技術開発を米国立衛生研究所(NIH)が19000万ドル($190 million)を投じる。遺伝子編集装置を体内の標的組織に届ける仕組みの改善、ゲノム編集方法の改良や発明、ゲノム編集の効果や安全性を調べる解析方法の開発、ゲノム編集の経験・方法・道具を共有する仕組み作りに今後6年間に約1億9000万ドルが付与される。

 

2018.1.16

 米国FDAに最近承認された価格85万ドルの失明疾患遺伝子治療LUXTURNAvoretigene neparvovec-rzyl)をより多くの患者に届けるための3つの計画をSpark Therapeutics社が発表した。その一つとして、治療成績に応じ効果がなかったら保険会社に返金する事を進めている。効果は治療30-90日及び30ヵ月後の光感受性検査で評価される。この制度はHarvard Pilgrimとの合意に加え、幾つかの民間保険会社と協議中である。


2018.1.4
​ 
昨年12月に米国FDAに承認された失明疾患遺伝子治療薬LUXTURNAvoretigene neparvovec-rzyl)の価格をSpark Therapeutics社は患者1人あたり85万ドルと設定した。当初、100万ドルと予想されていた最も高価な医薬品である。しかし、1回の投与ですむ同剤は繰り返し投与する必要がある他の薬剤に比べ、最終的には安価であるかもしれない。

2017.12.20

​Spark社の失明疾患遺伝子治療薬がFDAで承認された。徐々に視力が衰えてやがて完全な失明へと至るRPE65両遺伝子変異(biallelic RPE65 mutation)起因網膜ジストロフィーを治療するSpark Therapeutics社のRPE65遺伝子導入製剤LUXTURNAが米国FDAに承認された。本製剤はは生来の遺伝子変異による病気を治す初のFDA承認遺伝子治療となった。本剤は来年1Qに特定の治療施設で投与が可能になる予定で、当初の3-4施設から、10施設に徐々に増やしていく予定。

 

2017.12.11

 胎児ヘモグロビンを生成する赤血球を生み出すように患者の造血幹細胞(HSC)をCRISPR遺伝子編集技術で加工する治療CTX001の臨床試験開始をCRISPR Therapeuticsが欧州に申請した。輸血頼りのβサラセミア成人患者にCTX001治療を施すPh1/2試験が来年欧州で始まる予定。同社は米国でも試験を始める予定で、鎌状赤血球症(SCD)をCTX001で治療する試験開始の許可をFDAに来年申請する予定。

 

2017.12.11

 BioMarin Pharmaceutical社の第VIII因子(FVIII)遺伝子導入アデノ随伴ウイルス5AAV5)(Valoctocogene Roxaparvovec、BMN 270)が第1/2相試験で高用量投与された重症血友病A男性7人全員の第VIII因子活性が5 IU/dLを超え、6人は正常化(>50 IU/dL)した。正常化は1年時点でも維持されている。高用量投与群のうち予防治療を受けていた患者の出血は本剤投与に伴い年間16から1件へとほぼ消失した。同社は来年初めまでに用量が異なる2つの第3相試験を開始する予定。


2017.11.22

 Alnylam Pharmaceuticals社のトランスサイレチン(TTR)標的RNA干渉薬patisiranによる多発神経炎合併遺伝性TTR寄与ATTRアミロイド症治療の開発が米国FDAの画期性優遇制度の対象となった。第3相試験結果に基いて今回の画期性優遇指定が決まった。同剤のFDAへの段階的承認申請が最近開始されている。

 

2017.11.22

 骨髄移植治療が無効またはその後に再発した7-30歳のB細胞急性リンパ性白血病(B-ALL)患者21人へのCD22標的キメラ抗原受容体(CD22-CART細胞の第1相試験の結果、より高用量が投与された患者15人中11人(73%)が完全寛解を達成した。低用量群で完全寛解を達成した患者は6人中1人。被験者21人中17人はCD19標的抗癌免疫治療の経験があったが、CD22-CARB-ALLに対してCD19-CARに匹敵する効果を有することが示された。

 

2017.11.20
​ 
Celgene社/Bluebird Bio社の抗BCMAB細胞成熟抗原)キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)製品bb2121による再発/治療抵抗性(r/r)多発性骨髄腫治療が欧州医薬品庁(EMA)と米国FDAの画期的治療開発優遇制度・PRIMEBreakthrough Therapy Designationの対象となった。現在、r/r多発性骨髄腫を対象にしたbb2121第1相試験が進行中。


2017.11.13

  β細胞に豊富なマイクロRNAmiR-204は、GLP1受容体(GLP1R)のmRNAに直接結合してその発現を抑制する働きがあり、マウスのmiR-204を無くすとGLP1R発現促進やGLP1R刺激薬への反応亢進により糖制御が改善することが示された。また、miR-204の発現を促す蛋白質TXNIPを消すことでもmiR-204欠損と同様の耐糖能改善効果が認められた。また、miR-204の発現を促す蛋白質TXNIPを消すことでもmiR-204欠損と同様の耐糖能改善効果が認められた。
 

2017.11.8

 NanoCarrier社は、イスラエルのVBL Therapeutics社の殺癌ウイルス薬ofranergene obadenovecVB-111)を日本で開発して販売する権利を得た前金1000万ドルを支払う。本剤は腫瘍血管で活性化してその細胞死を誘導しつつ抗腫瘍免疫も誘導する。

 

2017.11.3

 AveXis社の脊髄性筋萎縮症(SMA)遺伝子治療薬AVXS-101の第1相臨床試験の結果がNEJMに報告された。本剤投与患者15人全員が永続的人工呼吸なし(event-free)で生後20か月を生存。多くが運動機能目標に達しており、高用量投与患者12人中11人は介助なしで座れるようになり、9人は寝返りができ、2人は歩けるようになった。
 

2017.11.2
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Juno Therapeutics社は、CD19BCMAを標的とするCAR-T製品の試験結果を12月の米国血液学会(ASH)年次総会で発表する。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者のCD19標的CAR-TJCAR017治療で奏効率80%12/15人)、完全寛解率73%11/15人)を達成している

 

2017.11.2
​ 
BioMarin Pharmaceutical社の血友病A遺伝子治療薬Valoctocogene RoxaparvovecBMN 270)の開発が米国FDAの画期性優遇(Breakthrough Therapy)指定を得た。今年中にこの遺伝子治療は第3相試験段階に進み、2用量・4e13vg/kg投与と6e13vg/kg投与の2試験が実施される。

 

2017.10.24

 英国国立医療技術評価機構(NICE)がGlaxoSmithKline社の世界最高額の治療薬Stimuvaxの使用を支持した。本剤はアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損重症複合型免疫不全症(ADA-SCID)の遺伝子治療で、治療回数は1回、価格は594,000ユーロ(およそ70万ドル)。NICEは費用に見合う価値ありと判断した。

 

2017.10.19
​ 
2週間前にGilead Sciences社によって買収されたKite Pharma社CAR-T治療Yescartaaxicabtagene ciloleucel)が米国FDAに承認された。再発/治療抵抗性(r/r)大細胞型B細胞リンパ腫(large B-cell lymphoma)の治療として承認された。本疾患にはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫が含まれる。

 

2017.10.19

 急性リンパ性白血病(ALL)の治療薬として8月に承認されたNovartis社の米国初の遺伝子治療薬Kymriahの定価は475,000ドルで、総費用は150万ドルに達すると予想されている。


2017.09.21

Alnylam Pharmaceuticals/Sanofi社のアミロイド症治療用siRNApatisiranの第3相試験で、所期の目標すべてを達成した。多発神経障害を伴うtransthyretinTTR)遺伝子変異に起因するアミロイド症患者の神経障害(neuropathy)進展を有意に抑制し、QOLなどを改善した。同剤は米国FDAには今年中、欧州には来年早期に承認申請される予定。

 

2017.09.07

 Voyager Therapeutics社は、レボドパをドパミンへ変える酵素AADCを脳に導入する遺伝子治療薬VY-AADC01の臨床第1b相試験で、進行性パーキンソン病患者の運動機能や日常生活動作の改善が認められた。承認申請前の最終試験となる臨床第2-3相試験が今年中に始まる予定。

 

2017.08.31

 Novartis社のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-TKymriahtisagenlecleucel)による白血病治療薬が米国FDAに承認され、世界初のCART療法で米国初の遺伝子治療薬となった。25歳以下の治療抵抗性で2回以上再発したB細胞性急性リンパ芽球性白血病(r/r B-ALL)が適応症として、サイトカイン放出症候群(CRS)や神経毒性を引き起こす恐れがあるとの警告boxed warning付きで承認された。薬価は治療1回あたり475000ドル(約5200万円)。また、同社は奏功した患者に対して治療費を要求することを検討している。なお、CRSCAR T細胞の活性化/増殖に対する全身反応であり、高熱やインフルエンザ様症状を引き起こす。本剤の承認と同時に、FDAはこの重篤なCRSの治療にRoche社の抗IL-6受容体抗体ACTEMRAtocilizumab)を使うことを承認した。1回か2回のACTEMRA投与で、2週間以内に69%の患者のCRSが完全解消した。


2017.07.19 

 遺伝子変異疾患の遺伝子治療として世界で初めてPh-Ⅲ臨床試験に進んだ、Spark Therapeutics 社の失明疾患・RPE65変異遺伝性網膜症(IRD)治療薬Luxturnavoretigene neparvovec)が、主要目標を達成して米国FDAに医薬品優先審査(priority review)されることが決まった。審査結果は来年112日までに判明する。

 

2017.07.11

 Spark Therapeutics社の血友病B遺伝子治療薬SPK-9001Ph-/Ⅱ臨床試験で有望な結果が得られている。被験者10人の年間出血数は投与前で11.1回だったのが0.4回へと96%低下し、年間輸血数は67.5回から1回へと99%低下した。10人全員の第IX因子活性レベルは一貫して上昇を維持し、第IX因子濃縮製剤の常用が不要になった。


2017.07.07

 米国FDAの承認審査段階にある白血病治療製品CTL019を含むキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)製品に使用するレンチウイルスベクターを。英国Oxford BioMedica社がNovartis社に供給する。これで当社は今後3年間に1億ドル超を獲得する。


2017.07.07

 Editas Medicine社の先天性緑内障であるLeber先天性黒内障10型(LCA10)の治験開始申請(IND)が製造に関する遅れにより2018年中旬になるとの発表を受けて同社の株価が5%下落した。数日前にライバル企業CRISPR Therapeutics社はβサラセミアを治療する開発筆頭品の欧州での治験開始(CTA)を今年中に申請すると発表しており、Editas社はCRISPR社に後れを取ることになる。遺伝子編集治療バイオテックのもう一社Intellia社は非臨床試験により時間をかけており、申請に必要な動物実験を2018年前半まで続ける予定。

 

2017.04.26

 オランダのuniQure社の血友病B遺伝子治療AMT-060が欧州医薬品庁(EMA)の開発支援制度PRIMEの対象になった。進行中の用量範囲探索臨床第1/2試験で、重症患者の自然出血がほぼ完全に抑制されている。


2017.04.21

 uniQure社の世界一高価な薬Glybera (alipogene tiparvovec) 10月以降の欧州販売継続に必要な更新手続きはしないと当社は発表した。非常に稀な遺伝疾患・リポタンパク質リパーゼ欠損症(LPLD;家族性高カイロミクロン血症)を治療する本剤は、欧州委員会(EC)から201210月に5年間の限定販売で許可されていた。この間、使用患者は僅か1例と報告されている。


2017.04.19

 CRISPRゲノム編集技術特許を巡ってカリフォルニア大学(UC)側と対立しているMIT/HarvardBroad Institute社のFeng Zhangらは、DNAではなくRNAを標的とする酵素Cas13aC2c2)を利用したCRISPR技術利用の超高感度診断ツールを開発した。安価で結果がすぐに判明する方法SHERLOCK (Specific High Sensitivity Enzymatic Reporter UnLOCKing) を使用すればRNADNAの素性を1分子から把握できるとしている。


017.04.19

 Broad Institute社のFeng Zhangらの成果に由来するエンドヌクレアーゼ技術Cpf1を利用したCRISPR遺伝子編集によってデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者由来iPS細胞やDMDを模すmdxマウスの変異の影響をなくし、ジストロフィン発現を回復させ、筋収縮機能を高めたりできることが示された。

 

017.04.19

 新たに開発されたDNA運搬生分解性ナノ粒子を使い、白血病標的キメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を体内のT細胞核にうまく導入してマウスの白血病を長く封じることができた。この方法ならT細胞を患者からいちいち取り出して体外でCAR遺伝子を導入して再び患者体内に戻すという時間や手間が必要ない。

 

2017.04.18

 CRISPR Therapeutics社とCasebia Therapeutics社は、StrideBio社と共同で体内にCRISPR/Cas9遺伝子編集治療薬を届けるのに適したAAVベクターを開発する。StrideBio社は組織特異性を有し、免疫反応を生じ難いAAVベクターを独自技術で開発する。Casebia社はCRISPR Therapeutics社とBayer社の合弁会社。

 

2017.03.09

 Intellia Therapeutics社は、脂質ナノ粒子ベクターによってCRISPR/Cas9のマウスでの遺伝子編集効率を向上できた。マウス尾静脈への1回の投与でトランスサイレチン(TTR)遺伝子標的CRISPR/Cas9システムが肝臓の標的DNA70%に送達でき、血清TTRをほぼ完全(97%)に封じることができた。肝臓の遺伝子編集は投与後4か月以上安定して維持した。

 

2017.03.09

 新しいAAVベクターAnc80L65を利用して、野生型Ush1c遺伝子を内耳に運んで感覚有毛細胞の80~90%に送達でき、重い難聴・失明・バランス障害を呈する遺伝疾患のアッシャー症候群モデルマウスの聴力やバランスが回復した。このベクターは網膜にも応用可能で、網膜の変性を抑えることが既に確認されている。


2017.01.30

 オランダのuniQure社は、血友病B遺伝子治療薬AMT-060が米国FDAの画期的治療(Breakthrough Therapy)指定を得たと発表した。同社は臨床第1/2相試験の結果、第IX因子の持続的な上昇、第IX因子補充の減少、自然出血のほぼ消失が示されている。同社によると、2016年には23の画期的治療薬がFDAに申請され、認められたのは4個のみである。

 

2016.12.23

 FDAは、核酸医薬品として第5番目となるIonis Pharmaceuticals社のSpinrazanusinersen)を承認した。同社の上市品としては第3番目となる。適応症は遺伝性難治疾患の脊髄性筋委縮症(SMA)で、筋肉の麻痺により歩行などの運動が困難になり、重篤な場合には呼吸困難で死に至る。同剤投与で、原因遺伝子から生成するpre-mRNAのスプライシング・パターンが変化し、ほぼ正常なタンパク質が合成される。最初の投与から上市まで約5年である。


2016.11.10
 
Bristol-Myers Squibbは、非アルコール性脂肪性肝炎や肝硬変を治療しうるsiRNA化合物ND-L02-s0201の開発と販売する権利を日東電工から得た。

2016.5
 GSKは、OSR (Ospedale San Raffaele) とTelethonから導入した先天性アデノシンデアミナーゼ欠損重症免疫不全症(ADA-SCID)の遺伝子治療薬Strimvelisが、EMA(European Medicines Agency)の許可を得たと発表した。本品はADA遺伝子導入CD34陽性自己幹細胞で静脈内注射によって、18例の小児患者の平均生存年7年、最初の被験者で13年間の生存が確認されている。幹細胞への形質導入はレトロウィルスを用いており、本ベクターは抗原性が低く、増殖細胞の染色体に遺伝子を組み込ませることができ、長期にわたる発現が期待できる。本品は、世界で3品目目の遺伝子治療薬で、世界で最初に遺伝子治療の著効例が得られ少年の患者が無菌カプセルを出て通学が可能になり、遺伝子治療の素晴らしさを最初に世に示したターゲットである。

2015.11
  Nitto BioPharma社(日東電工)の肝線維症治療用siRNA薬ND L02-s0201は、FDAより優先承認審査指定を受け米国でPhase-Ⅰb/Ⅱ試験を開始した。本品はコラーゲンのシャペロン分子である熱ショックタンパク質HSP47の siRNAを含有するビタミンA被覆リポソームで、レチノール受容体を有する肝臓の類洞(ディッセ腔)に存在する線維芽細胞の肝星細胞stellate cellに送達されコラーゲン産生を抑制する。

2015.10 
 世界初のoncolytic viral therapy殺がん細胞ウイルス性治療薬「IMLYGIC」(Talimogene Laherparepvec、T-VEC、genetically engineered herpesvirus、Amgen社)がFDAで許可さ れた。GM-CSF遺伝子が導入されたヘルペスウイルスで、再発黒色腫の治療に腫瘍内注射 され4.4ヵ月間延命できる。総薬剤費$65,000で費用対効果に疑問が残るが、新しい切り口の創薬の突破口になることが期待されている。

2012.11 
 オランダのベンチャー企業uniQure社が、EUで世界初の遺伝子治療薬「Glybera」(Alipogene tiparvovec、AAVによる遺伝子導入、先天性lipoprotein lipase deficiency、familial hyperchylomicronemia治療薬)の販売承認を得た。

<細胞治療>


2018.3.29

 武田薬品は、1月に買収を発表したベルギーのティージェニクスと共同開発中のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔治療薬「アロフィセル」(ダルバドストロセル、Cx601)について、欧州EMAから非活動期/軽度のクローン病治療薬として承認を取得したと発表した。同社にとっては細胞治療薬の事業化第1号で、今後数カ月間で販売する予定。


 

2018.3.2

ベルギーの幹細胞製品Cx601開発会社TiGenix社を最近52000万ユーロで買った武田薬品がアイルランドのダブリン地区Grange Castleに幹細胞製造工場を作ると報じている。およそ2500万ユーロ(3050万ドル)を投じて築かれるその工場は2021年に稼働し始め、最大70人が雇用される予定。


2018.3.1

 大日本住友製薬は1日、大阪府吹田市に建設中のiPS細胞の製造施設が完成したと発表した。iPS細胞由来の細胞製品の製造施設は世界初。同社は理化学研究所や京都大学などと共同で、網膜疾患の「加齢黄斑変性」や神経難病の「パーキンソン病」に対するiPS細胞由来の細胞医薬品の開発を進めている。今回の製造施設完成で実用化に向けた研究に弾みがつきそうだ。

 iPS細胞から病気の治療に必要な細胞を分化させる施設は地下鉄御堂筋線江坂駅から徒歩7分の同社総合研究所内に立地。地上2階建てで、延べ床面積は約2915平方メートル。加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜疾患の1つ「網膜色素変性」、脊髄損傷に対応した4種類の再生医療製品を製造する。医薬品としての安全性、品質管理などに対する法律や省令にも適合。今後開始する予定の臨床試験で使用する細胞を製造するほか、製造販売承認を取得後の商用製品まで製造できる。

 

2018.2.19

白血球型抗原(HLA)不適合の心配なくどの患者にも投与しうる幹細胞製品を開発しているUniversal Cellsを提携会社・アステラス製薬が手に入れた。Universal Cellsは拒絶反応の原因分子・白血球型抗原(HLA)の発現を封じる技術を使い、患者毎の作製が不要でどの患者にも投与しうる出来合いの幹細胞製品を開発している。

 

2018/02/16

 武田薬品と富士フイルムは、再生医療等製品の共同事業化で連携する。武田薬品は富士フイルム米子会社「セルラー・ダイナミクス・インターナショナル」(CDI)が開発中のiPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療製品について、全世界での共同事業化に関する優先交渉権を取得し、富士フイルムに一時金を支払う両社は複数のiPS細胞由来心筋細胞で薬効と安全性評価、実用化に向けたプロセス開発などで共同研究を進める。

 

2018.1.7

 1型糖尿病を治療するViaCyte社の膵島細胞補充治療薬PEC-Directが、Ph1/2試験第2患者枠(Cohort 2)の最初の患者にその効果を示す量(potentially efficacious dose)が投与された。PEC-Directは幹細胞由来PEC-01膵臓前駆細とそれらが移植先に確実に定着して生来の膵島細胞と似た働きをするように導く装置を組み合わせた製剤である。

 

2018.1.7 

 欧州で今年前半に承認される見通しのクローン病治療幹細胞製品Cx601を擁するベルギーのTiGenix社を武田薬品が約52000万ユーロで買収する。武田薬品は20167月の契約で米国外でのCx601の販売権利を得ており、その既存提携が発展して今回の買収合意に達した。TiGenix社は人工呼吸や昇圧剤投与を要する重い敗血症患者を対象にしたPh1/2試験段階にある別の幹細胞製品Cx611も開発している。


2017.12.22

 武田薬品は、ベルギーのTiGenix社と共同開発中のクローン病に伴う肛囲複雑瘻孔(complex perianal fistula)治療薬(darvadstrocel、Cx601)について、欧州医薬品評価委員会から承認推奨の見解が示されたと発表した。同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤として承認推奨の見解が示されたのは欧州では初めて。


2017.12.4

 幹細胞からインスリン生成β細胞を大量に作る方法を2014年にCell誌に報告したハーバード大学研究のリーダーDouglas Melton氏が2014年に設立し、その技術による1型糖尿病治療の開発を手がけるSemma Therapeutics社が募集額を上回る投資11400万ドル($114 million)を確保した。


2017.10.24

 アステラス製薬は、米国Universal Cells社が有する独自の「ユニバーサルドナー細胞(UDC)技術」を用いた細胞治療薬の全世界での研究・開発・商業化に関する独占的権利を獲得した。同技術はアデノ随伴ウイルス(AAV)を使ってヒト白血球型抗原(HLA)を変え、免疫拒絶反応を抑えた状態で分化させて、HLA適合無しでも移植できる多能性幹細胞を作製するもので、新たな他家細胞治療薬の創製が期待される。契約一時金と開発マイルストンの合計で12400万ドル(約140億円)を支払う。


2017.10.23

 アステラス製薬は、米国シアトルのUniversal Cells社に前金900万ドルを払い、患者毎に作る手間や拒絶反応の心配が不要(off-the-shelf)な細胞治療薬の技術を導入した。アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて細胞に遺伝子を導入し、ヒト白血球型抗原(HLA)を変化させ、HLA適合なしでも投与できる細胞治療薬を開発する。


2017.06.23

 MITRobert Langerが共同で新しく設立したSigilon Therapeutics社は、線維化を誘発しない生体適合カプセルAfibromerに入れた細胞を用いて、治療蛋白質を長期間放出させ、血液疾患・酵素欠乏症・内分泌疾患用細胞治療薬を開発する。


2016.6.21 
   米ペンシルバニア大が申請していたCRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集で世界で初の臨床試験がNIHの「組み換えDNA諮問委員会(RAC)」で審査され許可された。今年末にも開始される可能性が出てきた。適応症は骨髄腫や黒色腫で、体外に取り出されたT細胞表面 にある受容体のPD-1を遺伝子組み換えで除去し体内に戻すもので、がん細胞が免疫システムから逃れるのを抑制するものである。コンセプトは、小野薬品の「オプジーボ(ニボルマブ)」と同じ標的である。新しい選択的な遺伝子治療の画期的な技術の幕開けである。なお、本技術は早期のノーベル賞候補としても取りざたされている。

2016.2
 国内バイオベンチャーSanBio社(大日本住友製薬)は、他家骨髄由来細胞を用いた再生細胞薬SB623において、神経再生による慢性期脳梗塞の米国Phase-Ⅱb試験を2017年第1四半期にStanford大で実施予定している。

2016.2 
 札幌医科大(本望 修教授)の自家骨髄由来間葉系幹細胞STR01による脊髄損傷治療は、厚生労働省から審査期間を1年から半年に短縮する「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定された。自家骨髄幹細胞を分離し1万倍に培養して患者に再び静脈内注射し神経再生を目指す。脳梗塞治療も含め、ニプロ社がライセンスを締結している。

2015.9
 細胞性医薬品「Prochymal」が国内で初の細胞性医薬品(再生医療等製品)として販売承認を得た。(「テムセルHS注」、他家由来ヒト間葉系幹細胞、急性移植片対宿主病治療薬、JCR社、薬価868,680円)

2015.9
 世界初となる虚血性重症心不全治療用再生医療等製品「ハートシート」(ヒト自家骨格筋由来細胞シート、テルモ)が、条件及び期限付き承認(60例における有効性と既存治療群(120例)との比較で優位な生存率を確認し、5年以内に承認申請を行うこと)を取得した。薬価804万円

2012.5
 カナダにおいて世界初の細胞性医薬品「Prochymal」(他家由来ヒト間葉系幹細対宿主病治療薬、Osiris Therapeutics社)が上市された。

<DDS技術>

2018.7.31

 抗精神病薬リスペリドンを長く放出して統合失調症を治療するIndivior社の月1回皮下注射剤PERSERIS (risperidone) が米国FDAに承認された。発売日は今後の検討を経て111日までに発表される予定。

 

2018.7.26

 血管新生型(滲出型)加齢黄斑変性症(Wet AMD)患者で実施されたGenentech社のPh2試験(LADDER試験、243)の結果、VEGF阻害剤ranibizumabを長く放出してその補充が可能な米粒大の眼内留置製品(PDS)が、月1ranibizumab硝子体内注射と同程度の視力改善をもたらした。また、PDS留置から最初の補充が必要となるまでの期間が半年以上の患者が大部分を締め(高濃度100 mg/mL投与群では約80%40 mg/mL10 mg/mL投与群ではそれぞれ約71%と64%)、3相試験は今年中に始まる予定。




 

2018.4.4

 アステラス製薬は、米シアトルジェネティクスと共同開発の抗ネクチン-4抗体薬物複合体(ADC)「エンフォツマブ ベドチン」について、チェックポイント阻害剤(CPI)による治療歴のある局所進行性・転移性尿路上皮癌の適応で、米FDAからブレークスルーセラピー(画期的新薬)の指定を受けたと発表した。

 

2018.4.4

 Dr. Reddy's Laboratories社が片頭痛薬DFN-02を米国FDAに承認申請した。DFN-02Aegis Therapeutics社の浸透促進技術Intravailが使われているスマトリプタン(sumatriptan)点鼻薬で、投与後に速やかに吸収されて全身循環し、皮下注射スマトリプタンと同等の薬物動態を示すとされている。

 

2018.2.28

 久光製薬は2月27日、経皮吸収型パーキンソン病治療薬として開発している「HP-3000」(ロピニロール塩酸塩)について、国内フェーズ3で主要評価項目を達成したと発表した。2018年度中の承認申請を目指す。治験は、レボドパを併用するパーキンソン病患者を対象に、同剤を1日 1回投与した際の有効性、安全性について、プラセボおよび実薬(経口薬)を対照に比較したもの。その結果、有効性に関して主要評価項目でプラセボ投与群との間に統計学的に有意な改善を認め、実薬対照群との間においても非劣性が認められたという。

 

2018.2.26

昨年暮れにFDA承認されたNovo Nordisk社の週1回注射GLP-1糖尿病薬Ozempicsemaglutide)が米国有数の中間業者Express Scripts社の給付対象薬となり、数百万人もの民間保険加入2型糖尿病患者に使用可能となった。Ozempicの市場での競争相手はEli Lilly社AstraZeneca社GLP-1Trulicitydulaglutide)やBydureonexenatide)週1回投与製品で、Ozempicの血糖や体重低下がLilly社Trulicity1回投与に勝ることが第3相試験で確認されている。

 

2018.2.22

レボドパ/カルビドパ服用にも関わらず生じるパーキンソン病症状を治療するAcorda Therapeutics社のレボドパ吸入薬INBRIJACVT-301)の承認申請が米国FDAに受理された。審査結果は今年105日までに判明する。製薬ニュースEndpointによると、Acorda社の売上のほぼ全てを占める多発性硬化症(MS)薬AMPYRA(dalfampridine)の特許が今夏に失効する。

 

2018.1.15
​ 
武田薬品と米Denali Therapeutics社は、アルツハイマー病やその他の神経変性疾患治療薬の開発・販売に関する提携契約を結んだ。契約一時金やマイルストンを含む契約金は24000万ドル(約270億円)。武田は、Denali社から脳内へのバイオ治療薬移行性を高める血液脳関門(BBB)通過技術を活用した新薬治験許可申請前にある三つのプログラムについて、共同開発・販売のオプション権を取得した。中枢神経領域を重点研究開発領域とする中、神経変性疾患で遺伝学的に検証された創薬標的分子を対象に、薬剤送達性の高い次世代の抗体医薬開発を目指す。

 

2018.1.3

Seattle Genetics社と武田薬品の殺細胞剤付き抗CD30抗体Adcetrisbrentuximab vedotin)によるホジキンリンパ腫初治療の承認申請が米国FDAに受理され、医薬品優先審査(priority review)されることが報告された。肺毒性と関連するブレオマイシンなしの化学療法とAdcetris併用の無増悪生存(PFS)改善効果が第3相試験(ECHELON-1)で確認されている。審査結果は今年201851日までに判明する見込みである。


2017.12.1

 オピオイド依存を治療するIndivior社のブプレノルフィン月1回注射剤・SUBLOCADERBP-6000)を米国FDAが承認しました。米国でオピオイドやヘロイン依存が増えていることを背景にして諮問委員会はSUBLOCADEを強く支持しており、今回の承認は十分予想されていました。同剤は来年1Qから米国で使用可能になります。

 

2017.11.30

 アステラス製薬は、前立腺がん治療薬ゴナックス皮下注用(一般名:デガレリクス酢酸塩)の12週間徐放性製剤について、国内で承認申請したと発表した。現在販売しているのは4週間徐放性製剤。ゴナックスは皮下注射されるGnRH受容体アンタゴニスト。GnRHは脳の視床下部で産生されるホルモンで、脳の下垂体に存在するGnRH受容体に結合することで男性ホルモンのテストステロンを産生する。テストステロンは男性機能維持のために必要なホルモンだが、前立腺がんではがん細胞の増殖を促進し、症状を進行させる。ゴナックスはGnRH受容体へのGnRHの結合を競争的に阻害することでテストステロンの産生を低下させ、前立腺がんの増殖を抑制する。

 

2017.11.8

 武田薬品は、潰瘍性大腸炎(UC)やクローン病(CD)治療薬の静脈内注射用抗体Entyvio(vedolizumab)の投与のために、Portal Instruments社の針無し注射器を導入した。本針無し注射器はMITIan Hunter教授の研究室で開発された。Portal社は武田薬品から前金と最大1億ドルの達成報奨金を得ることができる。武田薬品は本剤の皮下投与剤の開発も進めていて、現在第3相試験段階。


2017.09.20

 GSK社の慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬Trelegy Ellipta(fluticasone/ umeclidinium/vilanterol)が米国FDAに承認された。本剤はLABA, LAMA, ステロイドの3成分が1つの吸入器に入っており、11回の吸入で治療する。欧州でも近々承認される見込み。同社の主力製品Advairの後発品上市が迫っており、本剤が呼吸器事業の新たな主力になることが期待されている。同社の昨年の呼吸器分野の売り上げは90億ドルで、Advairの売り上げ47億ドルが半分を占めている。
 

2017.09.20

 鼻ポリープを治療するOptinose社の鼻腔スプレー製剤Xhance (fluticasone propionate) が米国FDAに承認された。本剤は吸入ではなく、マウスピースを通じて呼気によって鼻腔の奥に広く薬剤を投与できるデバイス・EDSexhalation delivery system)を開発し、鼻腔の炎症領域にステロイドを送達する。 

 

2017.08.02
  オピオイド乱用成人を治療する
Indivior社のブプレノルフィン月1回注射剤RBP-6000の承認申請が米国FDAに医薬品優先審査(priority review)される。本剤は、生分解性ポリマーが分解するにつれてブプレノルフィンを1ヵ月間にわたって放出する。今回の承認申請の審査結果は11月末までに判明する。


2017.07.28

 Opiant Pharmaceuticals社は、アルコール依存症治療薬ナルトレキソン点鼻薬OPNT002の臨床第1相試験の結果、吸収促進剤Intravaiで経鼻吸収が促進し、重篤有害事象や鼻腔刺激が認められず、Renaissance社と協力して臨床第2相試験に向けた製剤最適化に取り組む。

 

2017.05.04

 オピオイド依存患者のオピオイドをブプレノルフィンに置き換える治療をBioDelivery Sciences International社のBunavail Buccal Film(buprenorphine/naloxone)で開始することが米国FDAに承認された。この口腔内貼付剤はこれまで開始後の維持期での使用が認められていた。


2017.02.03

 Intarcia Therapeutics社の浸透圧ミニポンプによってGLP-1exenatide)を持続的に供給して2型糖尿病を治療する腹部皮下留置製品ITCA 650の承認申請が米国FDAに受理された。ITCA 650は最初に3か月分の20 mg製品が投与され、その後は6ヵ月ごとに60 mg製品が投与される。


2016.12.17
 Novo Nordisk社は、Ph-Ⅲ臨床試験を進めていた経口インスリン製剤の開発を中止した。Emisphere社が長年検討していたカプリン酸誘導体SNACによる吸収促進技術で、本来解決不能の無理があった。一方、インスリン産生幹細胞を5年以内に臨床試験入りするとコメントしている。


2016.12.02
 Impel NeuroPharma社は、鼻腔上部に投与して脳への直接投与を可能にする経鼻投与製剤デバイスを開発し、片頭痛(INP-104)、疼痛(INP-101)、アルツハイマー病(INP-102)治療薬を独自に開発しているが、開発資金3600万ドルを調達した。

2016.9
 米国疾患管理センター(CDC)及び米国小児科学会(AAP)は、来るインフルエンザシーズンに点鼻ワクチン(FluMist)を使用すべきではないと警告した。本剤は4価弱毒生ワクチンで、ここ数年の薬理効果が不十分であることが原因である。

2016.9.
 皮膚に付けたセンサーが5分毎に糖レベルを自動測定して適切な基礎インスリン量を供給する自己完結型人工膵臓(artificial pancreas)装置MiniMed 670G hybrid closed looped systemが米国FDAで承認された。まずは14歳以上の1型糖尿病患者での使用に限定。

2016.1
 サノフィは当初予定した販売高(年間10億ドル)が得られなかったとしてMannKind社のインスリン吸入剤(Afrezza)事業から4月初頭に撤退することを発表した。注射剤に比較して薬剤費が高いこと(約2倍)に加え、喫煙者は使用不可、COPDなどの肺機能検査が処方前に必要なことなどで、保険会社および医師が処方に消極的であったことに起因するとされている。ファイザーのインスリン吸入剤(Exubera)と同じ原因であり、注射不要の時代と期待された患者の利便性が低く評価されたのは極めて残念で、それにしても撤退が早過ぎると思われる。

2016.1
 ノルウェーのOptiNose社が開発してる片頭痛治療用経鼻投与剤「ONZETRA Xsail」(sumatriptan nasal powder)がFDAの販売許可を得た。Xsail Breath Powered Delivery Deviceとは口から息を吹いて装置から薬剤を鼻腔内に広く塗布するもので、良好な経鼻吸収性と鼻腔から脳への直接投与が期待されている。本品の販売は大塚アメリカの子会社であるAvanir Pharma社にライセンスアウトされており、さらに自閉症治療用オキシトシン経鼻投与剤のPhase-Ⅲ臨床試験が準備されている。

2015.8 
 Novo Nordisk Pharma社は低血糖のリスクが低い2型糖尿病治療GLP-1受容体作動薬「Semaglutide」の経口投与剤のPhase-Ⅲ試験を約8000人の患者で開始することを決定した。本ペプチド薬の吸収促進剤としてEmisphere社のSNAC(sodium N-8-(2-hydroxy-benzoyl)amino caprylate)が使用されている。

2015.1 
 塩野義製薬はアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法薬「アシテアダニ舌下錠」を仏Stallergenes社から導入し、国内で販売承認を得た。

2014.6
 MannKind社が開発したカセット装着型のTechnosphere粉末吸入システムを用いたインスリン吸入剤「AFREZZA」がFDAに許可された。


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